ochraceus菌群の10株の内 8株にオクラトキシンの産生を認めている。我が国では,内山らにより長崎県の農家保有米から汚染が発見されている。Kroghらは,腎臓病にかかった豚の腎臓,肝臓,脂肪,筋肉と鶏の筋肉にオクラトキシンを認めている。また,Fuchsらは風土病バルカン腎症として知られる地域の人々の0.4~2.5%の血液からオクラトキシンAを検出している(Fuchs et al.,1991)。産生する菌としてはF.
また、アフラトキシンが検出されたものはすべて輸入食品であり、国産品からは検出されていません。 このページは 東京都福祉保健局 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報担当 が管理しています。 マイコトキシン(Mycotoxins,カビ毒,真菌毒)とは,カビの代謝生産物であって人間あるいは動物に何らかの疾病あるいは異常な生理作用を誘発する物質群をいう。 アフラトキシンは,強い発がん性と急性毒性を持ち,農産物が汚染されやすく,また現実に汚染が発生していることから,規制値が決められている。我が国においては,ピーナッツ・ピーナッツ製品においては,アフラトキシンB1の値が実態的に10 ppb以下となっている。また飼料については配合飼料中の濃度が10 ppbもしくは20 ppb以下(飼料の種類によって異なる)となっている。世界各国でも規制値が決められている(日本薬学会編,2005)。パツリンは,Penicillium patulum の代謝産物として分離されたことからこの名称が決まった。動物に対する毒性はCが最も強く,以下G1,B2,G2の順である。アフラトキシンの中で一番問題になるのはB1である。しかし,最近外国などの規制を見ると,B1の他にB2,G1,G2を含めた総含量にしているところも多い。Carnaghan らによると,アヒルのひなを用いて経口的に7日でのLD50値を調べると,アヒルひな1匹当たりB1が18.2μg,B2が84.8μg,G1が39.2μg,G2が172.5μgであった。アフラトキシンB1を発癌物質としてよく知られているバターイエローの毒性と比較すると,実に900 倍の強さがある。アフラトキシンB1は,DNAの合成阻害やRNAの代謝阻害を起こすことが,知られている。産生菌の種類は多く,P. moniliformeやF. マイコトキシン産生カビは、主にコウジカビ(アスペルギルス属)、青かび(ペニシリウム属)、赤かび(フザリウム属)に属しています。アフラトキシンをつくるカビのアスペルギルスフラバス は、南方系のカビで、日本では九州南部以南に、主として生息しています。 clavatus, A. giganteus, A. terreus の報告がある。我が国においては,平成15年11月26日付けの厚生労働省告示で,「りんごの搾汁及び搾汁された果汁のみを原料とするものにあっては,パツリンの含有量が0.050 ppmを超えるものであってはならない」と規制された。パツリンも産生されると除去するのは,難しい。リンゴジュースにしばしば検出されるが,使用するリンゴがカビに汚染されていないものを使うようにすれば,パツリン汚染が軽減されることが知られている。食品については,日本においては規制値はまだない。ヨーロッパでは,下記のようになっている。パン,ペーストリー,ビスケットでは50 ppb,トウモロコシの粉を除く穀類粉75 ppb,トウモロコシの粉/ミール/グリッツ/精製していないトウモロコシオイルで200 ppb,トウモロコシのスナック/トウモロコシが主体の朝食用穀類で50 ppb,幼児や若い子供用の加工した穀類が主体の食品で20 ppb,トウモロコシ以外の加工していない穀類で100 ppb,加工していないトウモロコシで200 ppb。飼料については,平成7年11月15日付け7畜B第1660号畜産局長通知により,家畜に給与される飼料に含まれることが許容されるゼアラレノンの最大値は,1.0 ppmと決められた。試料の粉砕物にアセトニトリルと4%のKClを加え,浸透した後,ろ紙で濾過する。一部をとり,ヘキサンで脱脂した後,濃縮する。少量のベンゼンで溶解し,シリカゲルのカラムにかける。サイクロヘキサン-酢酸エチル(4+1)の混液で溶出し,溶離液を濃縮し,少量のメタノール-水(65+35)で溶解し,HPLCで分析する(Stack, M. et al., 1971)。穀類の汚染例が多く,しばしばトリコテセン系マイコトキシンとの複合汚染が認められる。現在までに化学構造の明らかになったマイコトキシンの数は,300 を超えている。ここでは主要なマイコトキシンについて掲載した。アフラトキシンは,1960年英国で起こった10万羽以上の七面鳥の中毒事件を発端として発見されたマイコトキシンで,強い毒性と発がん性を有している物質である。このアフラトキシンが注目されたのは,天然物質の中で最も発がん性が強いことと,世界的に見て農産物への汚染が広く発生していることである。ウマの白質脳症の原因物質として単離された。フモニシンと食道癌との関連性もとりざたされている。癌との関係では,癌のプロモーターの役割があると当初いわれたが,発癌性もあるようである(Howard et al., 1999)。フモニシンを,ブタやウマに毒性を示す程度の濃度になるよう飼料中に混ぜてウシを飼育させた実験結果があるが,高濃度(148μg/g)にすると影響が出るが,ウシは一般的にはブタやウマに比べて感受性は低いようである(Osweiler et al.,1993)。サンプルを75%メタノールで抽出し,Varian社製の固相抽出カートリッジ(Bond Elut SAX)で精製する。抽出物を蛍光誘導体化し,HPLC-蛍光検出し,定量する。アフラトキシン産生菌として報告されたものはAspergillus,Penicillium,Rhizopus,Mucor 属と多岐にわたっているが,研究の進んで来た現在では,アフラトキシンを産生する菌は,Aspergillus flavus ,A. flavus菌群は,世界中の土壌,空気中から検出される一般的な菌であるが,アフラトキシンを産生する菌株には地域的分布に差があるようである。それはアフラトキシンの農産物汚染が南米,アフリカ,東南アジアに多く発生しているのに比較して,我が国やヨーロッパの北部地域ではほとんど汚染が発生していないからである。東南アジアおよび日本における土壌中のアフラトキシン産生菌の分布を調べると,アフラトキシン産生菌は本州中部以北には生息できず,本州南部から東南アジアにかけて分布していることがわかった(真鍋ら,1978)。その分布域は,年平均気温16℃より暖かい地域であった。オクラトキシンAはCに比べて,毒性が強い。オクラトキシンBは,アヒルひなに対しては毒性を示さなかった。障害は主として肝臓と腎臓に現れる。オクラトキシンAのアヒルひなに対する毒性は,アフラトキシンB1の10分の1 の強さを示した。ステリグマトシスチン産生菌であるA. nomiusの特定の菌株であることが一般に是認されている。A.
アフラトキシン(Aflatoxin、以下「AF」とし ます)は、Aspergillus section flavusに属する 一部の菌(カビ)が産生するマイコトキシンで、 Aflatoxin B 1 、B 2 、G 1 、G 2 を始めとする10数種 の関連物質の総称です。1960年にイギリスで versicolorやA. versicolorを分離すると全国的に分布していることがわかり,またこれらの菌の大部分がステリグマトシスチンの産生能を有していた(真鍋ら,1976)。アフラトキシンの自然汚染では,ピーナッツ,トウモロコシ,ブラジルナッツ,棉実に良く認められるが,大豆,小麦,大麦,燕麦,ソルガムはかなり汚染の可能性が少ない。田端らは,1986年から1990年までの市場に出回っている食品についてアフラトキシンの汚染状況を多数の試料について詳細に調べており,上記と同様の傾向を得ている。また,スパイスについては白胡椒,唐辛子,パプリカ,ナツメグに汚染が認められた(田端ら,1993)。このように,農産物の種類により,汚染されやすいものと汚染されにくいものがある。オクラトキシン産生菌としてAspergillus ochraceusが知られているが,この菌の名前に由来している。オクラトキシンには,オクラトキシンA,B,Cの三つが知られている。投与飼料によってブタが外陰部肥大などのエストロジェン(未発育の哺乳動物に発情させる女性発情ホルモン物質)様症状を引き起こした例が,1928年のアメリカにおける飼料用トウモロコシを始めとして報告が多数ある。Stobらによって,またUrryらによって毒性物質が化学的に明らかにされ,ゼアラレノンと名付けられた(Urry, W.H.
られるのがカビ毒(以降マイコトキシン)である。マイコトキシンとはカビの二 次代謝産物であり,ヒトや家畜等の経済動物,あるいはペットに対する毒性を有 する。抗生物質とマイコトキシンの違いは,こうした動物に対する毒性の有無や それに伴って総アフラトキシンの試験法が平成23年3月に発出され10月から施行された(4)。 総アフラトキシンの試験法はそれまでのアフラトキシンB1の試験法と基本的には違いはない。 食品中のアフラトキシンをはじめとする、マイコトキシン(カビ毒)分析用多機能カラムです。 食安発0816第2号「総アフラトキシンの試験法」に準拠しています。 nidulansが一般に認められている。この菌は世界に広く分布し,土壌,農作物,特に穀類に広く分布している。ステリグマトシスチンは,1962年BullockらによってA. graminaerumなどの菌株の感染を抑えるような方策が必要である。赤かび病抵抗性の品種(田中健治ら,2003)や農薬の種類,散布時期などの研究が行われている。ムギ類を食品加工する段階でトリコテセン系マイコトキシンがどのように推移するかを検討し,非可食部に80%以上が残ることが明らかになった(Tanaka, K. et al.,1999)。ラットに対するLD50は60 mg/kg (腹腔)であり肝障害を特徴とする。また,アヒルひなに対する胆管過増殖でみるとき,その毒性の強さはアフラトキシンB1の 125分の1であると言う。ラットやマウスに長期投与すると肝癌,肺癌などを生じ,Dickens らのラット皮下注射による長期試験では肉腫が発生しており,発癌力はアフラトキシンB1の250分の1と推定されている。検体に酢酸エチルを加え振盪した後,酢酸エチル層を別の試験管にとる。水層に酢酸エチルを加え振盪し,酢酸エチル層を先ほどの試験管にとる.この酢酸エチル層にとる操作を2回繰り返す。酢酸エチル層に1.5%Na2CO3溶液を加え,振盪し,酢酸エチル層をとる。無水Na2SO4で脱水した後,減圧濃縮する。残留物に酢酸水溶液を加えたものを,HPLCで分析する(日本薬学会編,2005)。A.