狭心症以外に危険因子がない人の死亡率は毎年約1.4%です。高血圧、心電図の異常、心臓発作の既往歴などの危険因子がある人、特に糖尿病患者では、死亡率がより高くなります。少数の患者では、典型的な狭心症の症状がみられ、負荷試験で異常が認められたにもかかわらず、冠動脈造影検査で冠動脈疾患の存在を確認できない場合もあります。その中にはシンドロームXの人も含まれますが、ほとんどの場合、そうした症状の原因は心臓以外にあります。典型的には狭心症は運動時に発生し、安静にしていると回復します。治療はまず、冠動脈疾患の進行を遅らせるか、回復に向かわせるために、危険因子に対処することから始めます。高血圧や高コレステロール血症などの危険因子は、速やかに治療します。禁煙が不可欠です。脂肪と単糖類の炭水化物をあまり含まない多様な食事をとることが推奨されるほか、ほとんどの人には運動が勧められます。必要に応じて、体重の減量も推奨されます。狭心症の治療には、いくつかの種類があります。以下の目的で様々な治療法が用いられます。心室の壁の肥厚(肥大型心筋症)、特に左右の心室間の壁の肥厚(閉塞性肥大型心筋症)狭心症の診断は、症状と心電図検査および画像検査の結果に基づいて下されます。動脈硬化による狭心症が最初に発生するのは、運動をしたり精神的に緊張したりすることで、心臓が普段より激しく働き、通常より多くの酸素が必要になった状況であるのが通常です。動脈のかなりの部分(普通は70%以上)がふさがると、心臓の酸素需要量が最も少なくなる安静時にも狭心症が起こるようになります。Please confirm that you are not located inside the Russian Federation心筋への血液供給量がどの程度不足しているか(虚血の程度)を調べ、冠動脈疾患の有無や、ある場合どの程度進行しているかを評価するために、他の検査が行われることもあります。米国では約1000万人に狭心症がみられ、毎年約50万人が新たに狭心症と診断されています。狭心症の発症年齢は、男性よりも女性の方が高い傾向にあります。典型的な狭心症は、運動によって引き起こされ、数分以上続くことはなく、安静にすることで治まります。なかには特定の運動量を超えると狭心症が起こることを予測できる人もいますが、それ以外の人では、発作は予期せず突然に起こります。狭心症は、しばしば食後に運動すると悪化します。通常は寒い天候も悪化の原因になります。風の強い日の散歩や暖かい部屋から寒い屋外への移動によって、狭心症が誘発されることもあります。精神的ストレスによって狭心症が起きたり悪化したりすることもあります。ときには、安静時の強い感情や睡眠時の悪夢も狭心症の原因になります。アスピリン、チクロピジン、クロピドグレルなどの抗血小板薬は、血小板が凝集して血管壁に付着しないように血小板の性質を変化させます。血流中を循環する血小板は、血管が損傷すると血栓の形成を促進します(血栓症)。しかし、血小板が動脈壁内のアテローム上に集まると、その結果として生じる血栓が動脈を狭くしたり詰まらせたりして、心臓発作を引き起こす可能性があります。女性が経験する狭心症の不快感は男性のそれとは異なり、背中や肩、腕、あごの灼熱感や圧痛がより多くみられます。狭心症の人では、胸骨の後ろの部分に不快感や圧迫感がみられます。, MD, Libin Cardiovascular Institute of Alberta症状が典型的な場合は、通常は容易に診断できます。痛みの種類、痛みのある部位、運動や食事、天気、その他の要因との関連性が診断の参考になります。冠動脈疾患の危険因子の存在も診断確定の参考になります。アスピリンは血小板の性質を不可逆的に変化させ、冠動脈疾患による死亡のリスクを低下させます。冠動脈疾患がある人の大半には、心臓発作のリスクを低下させるために、アスピリンを毎日服用することが推奨されています。アスピリンの作用に加えて、プラスグレル、クロピドグレル、チカグレロルには血小板の性質をさらに変化させる効果があります。心臓発作の発生後または経皮的冠動脈インターベンションの実施後の一定期間は、心臓発作のリスクを低下させるため、アスピリンに加えてこれらの薬剤のいずれかが使用されることがあります。抗血小板薬は通常、狭心症の人に処方されますが、特別な理由がある場合は別です。例えば、出血性疾患のある人には処方されません。経皮的冠動脈インターベンション(PCI、血管形成術とも呼ばれる)治療法には、硝酸薬、ベータ遮断薬、カルシウム拮抗薬の投与や、経皮的冠動脈インターベンション、冠動脈バイパス術などがあります。虚血がある人の全員が狭心症を発症するわけではありません。狭心症を伴わない虚血は、無症候性心筋虚血と呼ばれています。虚血が起きても症状が現れない理由は解明されておらず、その意義を疑う議論もあります。しかし、ほとんどの専門家は、無症候性心筋虚血も狭心症を伴う虚血と同じくらい深刻と考えています。重症の貧血によっても狭心症の可能性が高まります。貧血では、赤血球(酸素を運ぶ分子であるヘモグロビンを含む細胞)の数や赤血球中のヘモグロビンの量が異常に低下します。その結果として、心筋に供給される酸素の量が減少します。症状は女性ではかなり異なることがあります。女性の場合、背中や肩、腕、あごに灼熱感や圧痛が生じることが多くあります。狭心症の経過の見通し(予後)を悪くする主な要因として、高齢、広範囲の冠動脈疾患、糖尿病、その他の危険因子(特に喫煙)、激痛などがありますが、最も重要な要因は、心臓が血液を送り出すポンプ機能(心室機能)の低下です。例えば、異常のある冠動脈の数が多いほど、あるいは冠動脈の閉塞が大きいほど予後は悪くなります。心臓のポンプ機能が正常な安定狭心症では、予後は驚くほど良好ですが、ポンプ機能が低下すると、予後は劇的に悪化します。シンドロームXの人の予後は、冠動脈疾患がない人と変わりません。高齢者では、症状の現れ方が通常と異なるため、診断を誤りやすくなります。例えば、胸骨の後ろに痛みが生じることが少ない一方、背中や肩に痛みが生じて、関節炎と間違われることもあります。また、胃の辺りで不快感、膨満、ガスの貯留などが起きることがあり、特に食後にみられやすい傾向があります(食後は消化を促進するために多くの血液が必要になるため)。このような不快感は消化不良や胃潰瘍と間違われることがあります。げっぷをすることで症状が軽くなったように感じられる場合もあります。また、混乱や認知症がみられる高齢者では、痛みがあってもそれを伝えることができません。これらは体に負担をかけるものの有効な治療法ですが、当面の問題箇所を構造的に修復する手段にすぎず、基礎にある病気の進行を止めるものではありませんので、依然として危険因子の是正が必要です。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬は、狭心症を含めた冠動脈疾患の所見がみられる患者にしばしば投与されます。この種の薬は、狭心症自体に対する治療効果はありませんが、血圧(ひいては心臓が血液を送り出すための仕事量)を低下させ、心臓発作のリスクと冠動脈疾患による死亡リスクを低下させる効果があります。狭心症の再発を予防する(ベータ遮断薬、カルシウム拮抗薬、ときに新しい薬剤であるラノラジン[ranolazine])これらの病態では、心臓にかかる負荷が増えるため、心筋により多くの酸素が必要になります。心筋の酸素需要量が供給量を上回ると、狭心症が起こります。冠動脈の入口は大動脈弁のすぐ先にあるため、大動脈弁に異常が起こると、冠動脈への血流が減少します。たいていの場合、狭心症は胸骨の後ろの圧迫感や痛みとして感じられますが、この感覚を経験した人は、しばしば痛みというより不快感や押しつぶされるような感覚と表現します。また、不快感が肩、腕の内側、背中、のど、あご、歯などに広がることもあります。冠動脈閉塞を予防し解消する(アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、スタチン、抗血小板薬)予防薬を使用していても狭心症が持続する人には、冠動脈を拡張したり置き換え(迂回し)たりする処置が有益です。これらの処置は血行再建術と呼ばれ、具体的には以下のものがあります。カルシウム拮抗薬には、血管が収縮して狭くなるのを予防する作用と、冠動脈のけいれんを止める作用があります。この種の薬は、安定狭心症だけでなく、異型狭心症の治療にも有効です。カルシウム拮抗薬はすべて血圧を低下させます。そのうちの一部、例えばベラパミルやジルチアゼムには、心拍数を低下させる作用もあります。血圧と心拍数を低下させることで、酸素の必要量が減少し、狭心症のリスクが低下します。この作用は多くの人、特にベータ遮断薬を服用できない人や、硝酸薬で十分な回復が得られない人で有用になります。 「動悸や胸の痛みに関して何か対策していますか?」という質問に対し、得られた回答は「している(現在も継続中)」が13.4%。「した事はある」が17.9%。「していない」が68.8%でした。狭心症の前兆らしき症状を自覚しても、何も対策しない方が多いようですね。一般検査の流れは問診、診察、血圧測定・血液検査、心電図検査、エックス線検査となります。 問診に、下記のことを整理しておきましょう。小林式EPAは、今まで有効とされていたCa拮抗薬と違い、正常な平滑筋の収縮に対して影響がないため、副作用の心配がありません。「胸の動悸や痛みで不安になったことがある」という、30~40代の男女112人を対象にアンケートを実施しました。もし冠攣縮性狭心症だと診断されたら、以下のような対策方法があります。一口に「めまい」といっても、その症状や原因はさまざま。自分がグルグル回っているような感覚だったりフラフラしたりして、時には吐き気を伴う場合があります。原因不明で起きることもある症状ではありますが、中には心筋梗塞の前兆としてめまいが起きていることもあるので注意が必要です。突然、胸やみぞおちが圧迫されたような痛みがあり、数分で鎮まる症状は典型的な心筋梗塞の前兆です。数分で発作が終わるので、気づきにくいかもしれませんが、心臓はSOSを発しています。しきりに胸が気になったり、触るような仕草が増えてきたら、心筋梗塞の前触れです。家族の誰かが気づいたら、すぐに病院に連れて行ってください。胃のむかつき・吐き気、下痢などの症状が現れた場合、まず疑うのは胃炎・胃潰瘍などの消化器官の病気ですね。ところが、胃の痛みや吐き気、嘔吐などのの症状は、心臓に異変が生じている症候かもしれません。その痛みは胃の痛みか、心臓の痛みか、を個人で判断するのが難しいですが、「とりあえず胃薬を飲めばいい」という考え方が危険です。油断せず、医者の診断を受けましょう。一般検査だけでは、はっきりとした診断を付けられないことがあります。この場合、目的に応じた特殊検査が必要になります。例えば、安静時心電図では異常を捉えられない場合、運動しながら心電図をとる運動負荷試験や24時間の心電図へんかを記録するホルター心電図などを行います。 心臓の状態や血流の具合を詳しく知りたいときは、詳細に病状を把握できる画像検査を行います。例えば、心エコー、やMDCT、心筋シンチグラムなどがあります。 さらに、1~3泊入院が必要な冠動脈造影検査があります。心臓の働きが増えてもいるにも関わらず血流が滞ると、体にはさまざまな負荷として現れます。「している(現在も継続中)」もしくは「した事はある」と回答した方に「どんな対策をしていますか?(していましたか?)」と質問した結果は以下の通り。胸やみぞおちが強烈に痛む場合は、前兆ではなく、心筋梗塞の初期症状です。激しいおう吐や腹痛が伴ったり、周期的に痛みを繰り返す。あるいは30分以上続く場合は、心筋梗塞をおこしていますので、大変危険な状態です。すぐに救急車を呼んでください。救急隊員が来るまで、できるだけ楽な姿勢にして安静に。※粥腫=冠動脈の内側にできるコレステロールがついて膨らんだ腫れもの心筋梗塞が起こっているのに、胸などの痛みをほとんど感じないケースもあります。無症候性心筋梗塞と呼ばれ、糖尿病の患者によく現れます。血糖値が高い状態が続くと、末梢動脈の凶作が起こり、壊死していき、痛みなどの感覚もなくなります。痛みを感じませんので、心筋梗塞が発症し、気づかないまま、死に直結する可能性もあります。糖尿病の患者が特に心臓の様子に注意すべきです。狭心症の症状の一つに、歯の痛みがあります。歯やあごの痛みが続いたら、まず歯医者さんで診てもらってください。もし異常がないと診断されたら、狭心症から心筋梗塞になる前兆かもしれません。そのままにしておくと、心筋が壊死してしまいます。歯やあごの異常を感じたら、なるべく早く医師の診断を受けましょう。冠攣縮性狭心症と労作性狭心症について、症状やなりやすい人の特徴などを紹介しておきます。放散痛と呼ばれる症状で、痛みが拡散すると、違う場所が痛くなります。これは、脳に心臓の痛みを伝える神経が、左肩を通っているため。脳が勘違いして起きるもの。本当は胸が痛いのに、左側の肩や背中、あるいは小指が痛くなったり、左肩や背中が重点的にこるようなことがあったら、心筋梗塞を疑ってみてください。心筋が壊死寸前になると、心臓の機能が低下して息が苦しくなります。少し動いただけでも息があがってしまうので、心臓をかばってしまい、いつもより動作が遅くなってしまうのです。家族が見ても、普段と動きが違うことが、はっきりわかります。苦しそうな状態が長引くようでしたら、心筋梗塞を疑ってみてください。また、既に動脈硬化により狭くなった血管に異常の収縮が起こると、血流が途切れ、命にかかわる危険な状態になる恐れがあります。さらに、その対策について「対策の効果は実感できていますか?(できましたか?)」と質問。その結果は、「実感している」42.9%、「実感できていない」28.6%、「まだわからない」28.6%。対策に取り組んだ方の半数近くが、何らかの効果を感じているようです。心筋梗塞や狭心症を予防するためには、その原因を知り、フェイズに合わせて適切な対策を講じていく必要があります。心筋梗塞・狭心症の予防について、順を追って学んでいきましょう。問診の後に心電図検査などがあります。血圧・血液検査の結果は最も基本的なデータになります。 一般検査では大きな痛みを伴うものはなく、所要時間も短いです。基本的に一回の診察ですべての検査を受けられます。血液検査は検査機関で調べるものもあり、結果が出るまでに数日かかることもあります。多くは一過性の発作とされていますが、攣縮が続いてしまい心筋梗塞を誘導するケースも。労作性狭心症と同じような症状ですが、発作が起きる状態や環境に違いがあります。参照元:赤塚 宣治,「動悸・息切れ・胸の痛みが気になったら読む本 (早わかり健康ガイド)」,2006「逆流性食道炎」と似ているため、見過ごされがちですが、実は心臓に血液を送っている冠動脈が攣縮(れんしゅく)したときの痛みの可能性があります。なぜ攣縮するのか原因はまだわからないですが、血管が突然痙攣することで、冠動脈の内腔が急に狭くなります。日常的にも起こりうる現象ですが、完全に詰まってしまうと心筋梗塞が引き起こされます。血管攣縮は、健康であったとしても誰にでも起こりえます。参照元:林田憲明(2004)『「狭心症・心筋梗塞治療の最前線と患者の心得』株式会社双葉社p74-75)
狭心症の患者さんはいつも心電図で異常がみられるのでなく、狭心症の発作が起こって初めて心電図に異常が出てきますので、発作が起きていないときの心電図では、正常な人と区別がつきません。 しかし、この発作は運動によって誘発されますから、運動後に心電図を記録して異常が認めら�
「心エコー図」も梗塞後の心臓の状態がよく判る重要検査です。 強い症状や基本検査での異常所見があった場合はすぐに「心カテーテル検査(冠動脈造影)」に進み、冠動脈の閉塞や高度に狭くなっていることが確認された場合は、そのままカテーテルを用いた治療に進められます。 心臓超音波検査(心エコー ... また,血栓,疣贅,腫瘍などの異常構造物や先天性心疾患なども判断できます。 左室の大きさと左室収縮機能.