ビタミンb12が神経痛や痛みに効果があるのか? という素朴な疑問を持たざる得ないんです。神経痛が自然治癒したのか、ビタミンb12の効果で回復したのかの見分けがつかないくらい、効果のある人にはあるし、ない人には全くないビタミンb12です。
国立精神・神経医療研究センター病院 神経内科 医長岡本 智子 先生私たちの体内には、中枢神経と末梢神経の2種類の神経が張り巡らされています。このうち、手足の先など体の隅々まで分布している末梢神経が障害されると、手足のしびれや歩行障害などが生じます。また、初期に現れる末梢神経障害の自覚症状は、しびれや運動機能の低下です。そのため、頚椎や腰椎の病気と考え整形外科を受診する方が非常に多く、画像検査を行い異常がみられない場合に、神経内科へ紹介となることがほとんどです。まず神経内科医が神経所見を診察し、中枢神経と末梢神経のどちらが障害されているのかを見極めることが、診断のための重要な第一歩となります。また、末梢神経障害のうち運動神経障害と感覚神経障害は、「神経伝導検査」と呼ばれる電気生理学的検査を行なうことで、診断のための客観的なデータを得ることができます。このほか、末梢神経障害の原因や病気の活動性を調べるために、血液検査や髄液検査を行なうこともあります。また、腰椎や頚椎の圧迫など、骨格の異常により末梢神経障害が起こっていると考えられるときには、レントゲンやMRI検査を行います。なお、末梢神経障害と脊椎疾患であるギランバレー症候群やCIDP(また、ソルビトールの蓄積を抑制する薬剤を処方することもあります。ビタミン欠乏症が原因の場合は、ビタミン剤による補充療法を行います。また、抗がん剤による薬剤性の末梢神経障害は、抗がん剤の中止や減薬が原因療法となります。これらの原因療法と、次項で述べる対症療法は基本的に並行して行います。ただし、原因療法をまず先にしっかりと行なうことで症状が緩和され、対症療法を行なう必要がなくなるケースもあります。処方時に「てんかんの治療薬」という表記をみて不安に思われる患者さんもいらっしゃいますが、抗てんかん薬は、この場合あくまでしびれや痛みを取り除く目的で処方します。患者さんには、「末梢神経障害によりてんかんを発症することはないので安心してください」とお伝えしています。このほか、抗うつ薬や抗不安薬を処方することもあります。自己免疫反応を抑える作用を持つステロイド薬の有名な副作用には、免疫抑制剤の副作用には、肝機能障害や白血球減少、対症療法の項目でご紹介した抗副作用は必ずしもすべての患者さんに現れるものではありませんが、気になる症状が現れた場合は、早い段階で主治医の先生に相談しましょう。原因療法は、その名の通り原因が取り除かれた時点で終了となります。たとえば、ギランバレー症候群など、自己免疫反応が起点となっている場合は、免疫機能を改善する治療を終えた時点で治療終了となります。ビタミン欠乏症によりただし、原因が取り除かれても症状がゼロになるわけではありません。そのため、対症療法の期間は長期化する傾向があります。仮に治療前のしびれの程度を10とすると、対症療法では7~8レベルにまで軽減されることが大半です。なかには薬剤との相性がよく、しびれや痛みの程度が3ほどにまで軽減し、減薬後も3の状態を維持できる患者さんもいらっしゃいます。このような場合は、服薬を中止しても症状のレベルが低い状態を維持できることがあります。前項までに述べた治療により運動能力や筋力が上がったとしても、関節の可動域が狭くなっている場合は、その後の生活に影響をきたしてしまいます。そのため、症状が最も悪い時期に、治療とともにリハビリテーションをしっかりと行い、拘縮(筋肉が固まること)を防ぐことは極めて重要です。ただし、生活習慣の乱れは必ずしも患者さんご本人の不摂生だけが原因で引き起こされるものではありません。たとえば、営業職の方で飲酒の機会が多く、糖尿病を発症し、糖尿病性末梢神経障害と診断される方もいます。治療の際には、このように患者さんを取り巻く「環境要因」も考慮していかなければならないと考えます。ある程度動ける方の運動については、「歩くこと」が非常に重要です。しびれなどの症状がある方でも、体を動かさなければ筋力が落ちてしまい、全身状態が悪化してしまうリスクがあります。歩行は運動強度の面からみても患者さんの筋力維持に適しているため、私自身も患者さんに対してなるべく歩くように指導しています。ただし、転んでしまうと、感染症に罹患すると、また、記事1また、長時間労働や不規則な時間帯の仕事は、可能であれば避けたほうがよいといえます。体が冷えることによる血流の悪化も、また、タバコは血流を悪くするため、このほか、感覚神経が障害されている場合は、熱を発するものにも注意が必要です。熱さを感じにくいため、気づかぬうちに低温基本的なことですが、感染予防のために毎日の手洗いうがいも習慣化するよう心がけましょう。 前の記事1 末梢神経障害(ニューロパチー)の原因と症状とは?自律神経や感覚神経が障害される末梢神経障害(ニューロパチー)(岡本智子先生)の連載記事国立精神・神経医療研究センター病院 神経内科 医長国立精神・神経医療研究センター病院 神経内科 医長神経免疫性疾患(多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎など)の専門家の一人。その他、電気生理分野やパーキンソン病などの神経変性疾患を含めた幅広い分野で活躍する。岡本 智子 先生の所属医療機関国立精神・神経医療研究センター病院東京都小平市小川東町4丁目1-1042-341-2711新型コロナウイルス感染症と付き合っていくための"新しい生活様式"とは〜まだマスクの着用は必須なの?個人が気をつけられる具体策は?〜小泉小児科医院 院長/日本医師会 常任理事釜萢 敏 先生がん患者や家族の新型コロナウイルス感染症への不安〜不安を抱えたがん患者に対して家族ができることは?〜がん研究会付属有明病院 腫瘍精神科 部長清水 研 先生社員に新型コロナウイルス感染症の疑いが出たらどうするの?~企業が行うべき感染対策とは~日本医師会 常任理事/松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長松本 吉郎 先生医師が考える新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高い高齢者が注意すべき点とは国立長寿医療研究センター 理事長、日本老年医学会 副理事長荒井 秀典 先生関連の医療相談が末梢神経障害先日CIDPの疑いと言われましたが、違うらしく、末梢神経障害にはかわりないが、別の末梢神経障害と言われました。頸髄のMRIの結果、異常は認められたものの何かを判断できる所までは行かず、あと2回MRIを取る予定だそうです。 末梢神経障害の発症原因は、実に多様です。最も多いのが、糖尿病ですが、尿毒症などの代謝異常、膠原病、アルコール摂取過多、中毒など、多岐に渡ります。代謝異常による末梢神経障害を「代謝性末梢神経障害」と呼ぶように、診断名(病名)が発症原因によって異なります。ですから、末梢神経障害は原因によって9つに分類されます。
末梢神経障害の障害像3) 末梢神経障害の障害分布では, 四肢に左右対称 的に手袋靴下型分布を呈する多発神経炎, あるい は多発根神経炎, 一神経のみが障害される単神経 炎, いくつかの単神経炎が同時に認められる多発 性単神経炎などである. 現在、免疫グロブリン療法を受けて症状は徐々に良くなってきました。16歳になる息子がいるのですが、ギランバレー症候群は遺伝はしないでしょうか?術後の感覚鈍麻について昨年の8月に子宮体癌で子宮と附属器、リンパ生検を腹腔鏡手術、5センチの開腹で摘出しました。 痺れの感覚は左右どちらも同じくらいで、基本的には常に痺れている感じです。 術後から恥骨部分の感覚が鈍麻しており しびれというと、正座をしていて足がしびれた、、、というのがよく知られています。 ですが、なにもしていないのに普段から手や足がしびれるという症状を訴える方が増えています。 こういったしびれの場合は、治るのか治らないのかについて詳しく解説していきます。 近所の内科を受診したら原因不明と言われ総合病院を紹介されて、そこで入院し血液検査、髄液検査をした結果診断に至りました。 末梢神経障害の検査や治療は、一般的には神経内科で行います。ただし、骨折などの外傷によって神経が損傷されている場合には整形外科で治療を行なうこともあります。また、糖尿病性末梢神経障害など、代謝性疾患を原因としている場合は内科や内分泌科でみることもあるようです。