高齢者の睡眠は、寝つきが悪かったり、朝早く起きてしまったり、ぐっすり寝た感じがしないことがあります。加齢に伴い睡眠に変化が現れます。睡眠不足や過眠は、心身ともに悪影響です。認知症などの病気を悪化させる恐れもあるため、早めの予防や対策が大切です。 高齢者の睡眠は、寝つきが悪かったり、朝早く起きてしまったり、ぐっすり寝た感じがしないことがあります。加齢に伴い睡眠に変化が現れます。この記事では、高齢者の睡眠の特徴や注意すべきポイントを解説します。目次高齢者の単相性睡眠は、睡眠の質に変化が現れます。昼夜逆転など生活リズムが崩れる影響があるため、睡眠障害の原因を知っておきましょう。人間は成長するにつれて、単相性睡眠では、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠の2つのサイクルを交互に繰り返します。若年者に比べて高齢者の単相性睡眠では、次のような変化が現れます。早寝早起きの変化は、ぐっすり眠れているのであれば問題ありません。しかし、また、高齢者は深い眠りのノンレム睡眠が減って、浅い眠りのレム睡眠が増えるように変化します。そのため、小さな物音や尿意だけでも目覚める機会が増えてしまうのです。高齢者の睡眠障害の原因は大きく4つに分かれます。健康な大人でも寝具が変わると寝付きが悪くなる場合がありますよね。高齢者の場合も同じく、年齢による睡眠の変化だけでなく、病院への入院や施設への入所など環境が変わる機会が増えます。新しい環境への適応には時間がかかるため、慣れるまでは睡眠障害が現れる可能性があります。また、適度な温度や湿度の管理も睡眠の質を上げるためには重要な要素です。身体に起こる痛みやかゆみなどの不快症状は、睡眠を妨げます。高齢者は肌が乾燥しやすく、夜間にかゆみが強くなる場合があります。さらに、夜間頻尿など病気の症状に悩まされる人も少なくありません。不快症状が病気によるものであれば、さまざまな特に認知症の高齢者は、BPSD(行動・心理症状)として不眠が現れます。日中に感じた些細なストレスが積み重なり、夜間に睡眠障害として現れる場合は注意しましょう。また、夢を見ながら夢の中の行動を起こすような行動異常が見られます。睡眠障害を誘発する生活習慣は次の通りです。これらの嗜好品は、交感神経を高めて寝付きを悪くします。アルコールは入眠を促す作用がありますが、アルコールを分解して生成される物質が深い睡眠を妨げます。つまり、また、昼寝をしすぎたり、日中の活動量が少なかったり、不規則な生活習慣は睡眠障害の要因です。規則正しい生活習慣が睡眠障害を改善するポイントになります。睡眠障害で身体と脳がきちんと休めていない状態が続くと、次のような影響が現れます。夜間の不穏やせん妄状態が続き精神状態が悪化すれば、在宅生活を続けるのが困難になります。また、転倒による骨折や生活習慣病を発症すれば、そのため、高齢者の睡眠障害は放っておいては危険です。改善策のヒントを得るために、まずは高齢者の睡眠障害の特徴を理解しましょう。高齢者の場合、睡眠時間が短いだけでなく、長く寝すぎてしまう状態にも注意が必要です。高齢者に起こりやすい睡眠障害を詳しく紹介します。睡眠障害には入眠困難とは、布団に入っても約30分〜1時間以上なかなか寝付くことができません。早めに布団に入っても、寝付くのが遅いため結果的に睡眠不足になります。高齢者の場合、環境の変化などで寝るためにはリラックスする際に働く副交感神経が関係していますが、逆の交感神経が働く状態でスムーズな入眠につながりません。また、ストレス以外にも生活リズムが崩れることで入眠困難が起こります。中途覚醒とは、目が覚めるのが夜中に一度程度で、すぐに寝付けるのであれば問題ありません。しかし、環境の変化などのストレスがないにもかかわらず、何度も目が覚めて寝付けなくなる状態では睡眠不足の状態です。中途覚醒は、全体での睡眠時間は十分ですが、熟眠感がなく疲労感が残ります。熟眠障害とは、寝付きはスムーズですが、朝起きた時に疲れが残っています。睡眠が浅くなる高齢者に多い症状です。早朝覚醒とは、これも高齢者に多い症状で、一旦起きてしまうと再び寝付くことができません。そのため、睡眠時間が短くなってしまいます。不眠症とは、通常であれば睡眠障害が起こっても数日や数週間で症状が改善しますが、不眠症は1ヶ月以上続きます。さらに、日中に倦怠感・食欲低下・抑うつ状態・頭痛・めまいなどの不調が起こり、日常生活に支障をきたすようになります。スッキリと寝れる睡眠時間には個人差があり、しかし、日中の病的な眠気が起こる過眠症には注意が必要です。夜十分に睡眠をとっているはずなのに、昼間の眠気が強く目覚められていない場合があります。過眠症を引き起こす病気の代表例は高齢者の場合、過眠症を放っておくと昼間に寝すぎてしまい、昼夜逆転の生活になる恐れがあります。高齢者の睡眠障害は、転倒による骨折や生活習慣病、認知症の悪化を招きます。睡眠障害の予防と対策で、質の良い睡眠を確保し、健康を維持しましょう。入眠をスムーズに促し、熟眠できる環境を整えましょう。次に寝具を選ぶポイントは、次の通りです。その他にも床に物が置いてあったり、水で濡れていたり、転倒しやすい環境には注意が必要です。昼夜逆転を防ぐために、活動と休息のバランスを整えて、睡眠障害を予防しましょう。適度な運動は、心身の機能を高めて日中の覚醒を維持します。運動による心地よい疲労は、スムーズな入眠と中途覚醒を減らすために効果的です。そして、運動と合わせて日中は太陽の光を浴びる日光浴の習慣をつけましょう。朝太陽の光を浴びなければ、体内時計が乱れて寝付く時間が少しずつ遅れます。カーテンを閉めたままの暗い寝室で朝を迎えるのではなく、日光を部屋に取り入れましょう。また、夜間不眠が続き日中眠気が襲う場合は、昼寝を活用しても良いです。しかし、夜間の睡眠を妨げないために、午後の早い時間で30分以内の短い昼寝を心がけましょう。(※2)スムーズな入眠を促すために、入浴を活用しましょう。身体の深部体温が徐々に低下することで、スムーズな入眠につながります。そのため、寝る直前の入浴と熱い湯に浸かるのは、避けましょう。家族介護や介護サービスの都合上、昼間に入浴を済ます場合は、寝る前の足浴だけでも入眠を促す効果があります。不眠が続く場合は、足浴を活用しましょう。就寝前は、副交感神経を高めてリラックスできる方法を試しましょう。しかし、リラックスしようと無理に頑張るのはかえって逆効果です。深呼吸法やアロマセラピー、音楽療法など高齢者がリラックスできる方法を一緒に探してみましょう。また、入眠を妨げて睡眠を浅くするだけでなく、利尿作用で夜間頻尿を助長する恐れがあります。コーヒーや緑茶、紅茶などのカフェインを含む飲料を摂取する時間帯には気をつけましょう。睡眠障害の症状によっては、睡眠薬が処方される場合があります。若年者に比べて高齢者の場合、睡眠薬服用時にはさまざまな注意が必要です。睡眠薬には、しかし、高齢者は肝臓による薬の代謝能力が低下しているため、服用する睡眠薬の作用や副作用に注意が必要です。睡眠薬が強く効きすぎたり、副作用が強く現れたり、身体の変化が起こりやすい状態です。そのため、睡眠薬は服用する時間帯に注意が必要です。早く服用すれば入眠のタイミングを逃し、遅く服用すれば翌日まで薬の効果が現れてしまいます。服用する時間帯は、万が一、0時を超えて服用しなければならない状態であれば、早めに医師に相談しましょう。高齢者の場合、睡眠薬の副作用である睡眠薬を服用後も中途覚醒する場合があるので、転倒には注意しましょう。また、睡眠薬の持ち越し効果で、翌日にもすっきりせずに薬の効果が残っている場合もあります。高齢者は睡眠障害が起こりやすい状態です。睡眠の質を高める環境調整や働きかけで、睡眠障害を予防し、悪化を防ぎましょう。また、睡眠薬を服用する場合には、睡眠の質を高めて、高齢者が健康で元気に過ごせるような手助けをしましょう。初任者研修って、何ですか? 研修ってついてますけど…… ユマケア編集部 初任者研修は介護の入門資格ですよ! 興味があるん…ユマケア編集部 ブログ「ヘルパーおかん。アラフィフ専業主婦からのハローワーク。」で知られるゆるゆらりさん。 介護職の役割…初めまして。 「家事ときどき介護~介護も一息、今度は育児!?~」という漫画ブログを描いている、pinkyと申します。 1…高齢者とのコミュニケーションで大切なポイントは、「聞くこと」と「話すこと」。 特に話し方は、【言語】【準言語】【非言語】…数多くある居宅介護支援事業所からケアマネジャーをどのような基準で選んだらよいのでしょうか。 ケアマネジャー次第で要介護者…© 2018
高齢者の睡眠 » 年齢とともに睡眠は変化します。健康な高齢者の方でも睡眠が浅くなり、中途覚醒や早朝覚醒が増加します。また睡眠を妨げるこころやからだの病気にかかると、不眠症や睡眠時無呼吸症候群などのさまざまな睡眠障害が出現します。原因に合わせた対処や治療が必要です。